あちこちの安い基板屋を試しては色々失敗を重ねつつ、今度はsilvercircuitsに基板を発注。silvercircuitsはマレーシアはクアラルンプールにある基板メーカだ。激安基板屋として有名だった(*1)OLIMEXと比べると近くにあるので、shippingに無駄な予算/時間を取られないのが大きなメリットだ。細かいことはgoogleで探してみると結構見つかる。
silvercircuitsはPCB Prototypes(試作)と、PCB Production(量産)の2つのプランがあって、今回発注したのは、PCB Prototypesのほう。
PCB Prototypes色々細かいことが指定出来ない代わりに、6.3” x 4.0” (160.02mm * 101.6mm)の62mil(1.574mm)厚のFR4 Panel(基板)4枚(これが最低発注量、最大で6枚)で片面ないし両面、緑マスクに白シルクで72USDというプラン。これに日本宛送料が13USD、合計85USDおよそ8000円弱でおうちに基板が届いてしまう。しかもshippingは1、2日しかかからない。1枚しか必要ないし予備も要らない、時間も十分有り余っている、という場合であればOLIMEXのほうが安いが、その制約を1つでも外したいのであれば、OLIMEXより安いのではないかと思う。ちなみにOLIMEXだと無料のPanelizing(面付け)は1ピースにつき0.50USD必要になる。
OLIMEXより優位な点は他にもある。一般的なことは他で語り尽くされている感があるが、私が特に重視していたのは、via/hole(ドリル穴)とtrack with/space(線幅)。OLIMEXだとminimum via/holeが24mil(0.6mm)となっていて(*2)、これだと基板上の密度が上がってくると結構キツイ。silvercircuitsだとこれが14mil(0.355mm)と半分近くにできる(*3)。track with/spaceも、OLIMEXは下限が頑張って納期のばしても8mil(*4)なのに比べて、silvercircuitsだと標準で7mil、がんばると4mil(advancedの場合。但し別途見積もり。via/holeも10milまで詰め込める)と、ホビーに近い用途なら十分なほど細かい。
OLIMEXは標準仕上げがENIG(無電解金メッキ)なのだけちょっとうらやましい。これがsilvercircuitsだとHASL(半田メッキ)が標準で、ENIGはproductionでないと選べない。productionは総面積100平方インチ以上でないと発注できないので、小さい基板をちょいと、というのには向かないのだ。もっとも、β版一桁枚程度をわざわざENIG仕上げにしなくても、という気もする。
最近、silvercircuitsのサポートの方にはあれこれ質問攻めにしてしまっていて申し訳ないので、気づいた点、頂いた情報はできるだけ書いていこうと思う。一応、都度書くけれども最終的な確認は各人で。
ちなみに今回の発注物は2.1” * 2.35”程度だったので、面付けすると1枚のPanelから3枚取れて、4Panelsで12枚の基板になる。支払いはGoogle checkoutで行うのだが、今回は91USD(送料込み)、決済金額を見たら8,369円の決済がされていた。およそ1USD=92円で決済されたことになる。基板1枚あたりにすると700円くらい。正直すごい安い。
ということで、モノが届くのは3/10か3/11。届いたらまたレポートしたい。
(*1)silvercircuitsが頑張って値下げして、OLIMEXがeuroになって値上がりしたのでどうも最近は激安という気がしない。送料がめちゃくちゃ高いし。
(*2)standard drillだと28milが下限。24milはextra chargeが必要。
(*3)でもEAGLE用のdruではminimum via/holeは16milと定義されているので、ここは質問中。ってblogの記事書いてる間にメール帰ってきた。曰く、
14 mils is correct. The specifcaition on the design rule page is outdated. The DRC file is more recent. Thank you
だそうな。14milが正しくて、DRUの16milは古いよ、と。Choさん、現地時間朝の朝5時なのに。起きてすぐ返信したのだろうか、すごいなぁ。
(*4)10mil以上であれば5working daysだけど10mil未満があると15working days。
–以下メモ
OLIMEXの最安発注価格(両面):
DSS panel(160x100mm) 1枚(30.00euro)、via AIRMAIL(8.50euro)で合計38.50euro。執筆時点(2010/3/3)の為替相場は120.67円/euroだったので、4645円相当。但し輸送にすごく(1~2週、時々3~5週)かかるので、これをFedEx(輸送1~2日)に変更すると送料が24.00euroとなり、合計54.00euro、6516円相当。製造は5営業日標準、10mil未満のtrackで15営業日。
silvercircuitsの最安発注価格(両面):
PCB Prototypes(160mm * 101.6mm) 4枚(72.00USD)、via FedEx/DHL(13.00USD)で合計85USD。執筆時点の為替相場は88.71円/USDだったので、7540円相当。輸送は1日。製造は5営業日。
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