オリジナルマインドのhakuを購入し、動き始めてから1ヶ月ほどたった。これから購入する、という方は多くないだろうが、買ってからの所感を。
・精度は思ったより高い
もちろん、組み付けにも左右されるが、かなり精度は出ていると思う。少なくとも繰り返し精度はかなり高い。寸法精度は使っている台形ネジの精度に影響されるので恐らく場所により前後するのではないかという感じ。寸法精度を要求される目的には強くオススメできない感じ。オリジナルマインドの担当者の方が0.1mm精度程度、といっていたのも感覚的に頷ける。
・あまり重切削向きではない
木材、アルミ、樹脂が削れると書いてあるとおり、あまり重切削には向かない。ちょっと無理をすると主軸のモータ台が振動しはじめるし、肝心な主軸周りの剛性も足りていない感じ。門構造のほうの剛性はそれなりにあるのに、ちょっと残念。
ただし、時間をかけてちゃんと考えた切削パスで切ってやれば、鉄でも切れるんじゃないかという気はした。そのうち試してみる。
・F1200遅い
一つ上のCOBRAだと、最大でF1800の送り、とあるが、何れにせよ送りが遅い。その上ステッピングモータのパワーに対して軸に乗っている重量がありすぎて立ち上がりも遅い。結果、細かい削りが多いところは実質F200くらいしか出なくなってしまう(Mach3の設定でずいぶん変わると思うのでそのうち暇が出来たら追い詰めてみるつもり)。よくあるCNC動画的に動かすなら、とっととCOBRAを買ってACサーボ化キット+ACサーボを買うべきだと思う。うちもパワーのあるステッピングモータに変えるかサーボ化するかで悩んでる。
・主軸8000rpmも遅い
主軸も、標準で8000rpm、プーリを変えて11000rpmと、銜えられる標準シャンク径がφ4とバカ細いのに対して遅すぎる。可変にしろとはいわないが、パワーを保ったまま20k~30krpmくらいで回して欲しいところ。
おそらく、DCブラシモータの適当なやつがhakuに乗っているやつくらいが上限だったりして、その関係で主軸モータを乗せる台もちっちゃくして、という設計の流れでこうなったんじゃないかと思う。重たい主軸周りだとステッピングモータへの負担も大きくなるだろうし。
うちはここも一回り強いACインダクションモータに変えて、プーリもタイミングベルト的なものに変えようと思っている。難点はあんまり重くするとZ軸のステッピングモータが負けそうというところ。ここもあわせて面倒をみないといけないかも。
・オススメセットいけてない
買ったのはオススメセットなのだが、どなたかも指摘していたように付属品のロボットケーブルがあまりにも短すぎる。軸ごとに長さが違うべきなのに一律2mで出してくるというのは不親切すぎる。本体から離した場所におけないのに金属性の切り子に注意なんていわれても困る。
うちはもっと長いケーブルを調達の上、両端にMSコネクタをつけて、QUATTROのケースも作り替えて組み直すつもりだが、あくまでも「お手軽に自分で部品調達の手間を省いて組みたい人向け」でしかないことに注意。
総論として文句が多くなってしまったが、買って失敗したかというと、買って良かったという思いの方が強い。なによりも、時間を問わず図面をダイレクトに形に起こせるというのは代え難い物だ。あえてアドバイスするなら、予算がもう少し(50万円くらい)あればCOBRA、もっと(80万円くらい)あればSMDのSBR3400あたりを買った方がいいんじゃないかと思う。
何か聞きたいことがあればお気軽にどうぞ。