告知)TOUCH THE MUSEUM β

Posted by ゆのじ on 2月 9th, 2009

touchthemuseum

暫くハードウェア部門として関わっていたTOUCH THE MUSEUMが今年2/10から2/15までプレオープンとなることになりました。

手前味噌的ですが、一週間足らずの実験としては大変良くできていると思いますので、お時間の取れる方は是非おいでください。

追記@2009/2/15:
おかげさまを持ちまして無事プレオープン期間終了となりました。おいでになった方々にはこの場を借りて御礼申し上げます。まだ未確定ながら、来年度も引き続き改良することが出来ればと思っています。ありがとうございました。

hakuの実力

Posted by ゆのじ on 2月 6th, 2009

R0012050

引き続きmini-cnc hakuについて。ここしばらく、仕事の試作品を作るのに使っていた。そこで得たノウハウ。なお、ここに書いてあることを試して何らかの損失があったとしてもこちらはその責任を負わない。試すときは自己責任で。

今回の試作はある程度数を作る必要があって、そうなると1つ1つの切り出しをちんたらやっているわけにもいかない。そこで、mini-cncだと当たり前とされる両面テープでの貼り付けではなく、治具を作って切削ということをやった。完全に理想通りとはいかなかったものの、場所合わせと両面テープの糊剥がし(*)から解放されるだけでもかなり効率が上がる。

だが、それだけでは時間が圧縮できない。次に手をつけたのは最高速度設定(Mach3でいうところのMotor Tuning)。空走区間の速度を倍近い速度に出来るだけで、切削時間は相当圧縮できる、ということで設定を色々詰めてみたのだが、オリジナルマインドではF1200が上限というところ、うちではX,Y軸ともにX1800(Z軸だけは変更せず)で動かしていて今のところ特に問題無く動いている。

さらに、標準では8000rpmの主軸回転数を、オプションのプーリを購入することで11000rpm化した。ここまで変更した結果、今は樹脂(POMやアクリル)相手に0.3mm~0.4mmの切り込みでF900程度というそこそこの切削速度を得ることが出来ている。アクリル相手にF400/0.5mm/8000rpm(@2φ)(=400^3/min)はかなりキビシイ感じがしたが、回転数を上げた結果F900/0.4mm/11000rpm(@2φ)(=720mm^3/min)とかなり切削速度を上げることができた。

なんの保証もない話だが、そもそも組み立て式CNC、保証なんてもとよりどこにもない。遅い遅いと思う前に、パラメータをどんどんいじってみるのがいいのではなかろうか、という話。

しかしここ1週間程度のCNCの総運転距離、NCVCで出る長さをまとめると800m以上になっている(うち切削移動が8割くらい)。購入してまだ2ヶ月足らずだが、買ってからで考えればすでに1000m以上になるだろう。そろそろ本体をオーバーホールしたほうがいいかもしれない。。

(*)普段使っているのは寺岡製作所のNo.7220。東急ハンズで容易に手に入る。これの粘着成分はイソプロパノールだとあまり溶けないがエタノールで簡単に剥がれる。エタノールなら大抵の材料に使えるのでオススメ。

hakuについての雑感

Posted by ゆのじ on 1月 23rd, 2009

オリジナルマインドのhakuを購入し、動き始めてから1ヶ月ほどたった。これから購入する、という方は多くないだろうが、買ってからの所感を。

・精度は思ったより高い

もちろん、組み付けにも左右されるが、かなり精度は出ていると思う。少なくとも繰り返し精度はかなり高い。寸法精度は使っている台形ネジの精度に影響されるので恐らく場所により前後するのではないかという感じ。寸法精度を要求される目的には強くオススメできない感じ。オリジナルマインドの担当者の方が0.1mm精度程度、といっていたのも感覚的に頷ける。

・あまり重切削向きではない

木材、アルミ、樹脂が削れると書いてあるとおり、あまり重切削には向かない。ちょっと無理をすると主軸のモータ台が振動しはじめるし、肝心な主軸周りの剛性も足りていない感じ。門構造のほうの剛性はそれなりにあるのに、ちょっと残念。
ただし、時間をかけてちゃんと考えた切削パスで切ってやれば、鉄でも切れるんじゃないかという気はした。そのうち試してみる。

・F1200遅い

一つ上のCOBRAだと、最大でF1800の送り、とあるが、何れにせよ送りが遅い。その上ステッピングモータのパワーに対して軸に乗っている重量がありすぎて立ち上がりも遅い。結果、細かい削りが多いところは実質F200くらいしか出なくなってしまう(Mach3の設定でずいぶん変わると思うのでそのうち暇が出来たら追い詰めてみるつもり)。よくあるCNC動画的に動かすなら、とっととCOBRAを買ってACサーボ化キット+ACサーボを買うべきだと思う。うちもパワーのあるステッピングモータに変えるかサーボ化するかで悩んでる。

・主軸8000rpmも遅い

主軸も、標準で8000rpm、プーリを変えて11000rpmと、銜えられる標準シャンク径がφ4とバカ細いのに対して遅すぎる。可変にしろとはいわないが、パワーを保ったまま20k~30krpmくらいで回して欲しいところ。
おそらく、DCブラシモータの適当なやつがhakuに乗っているやつくらいが上限だったりして、その関係で主軸モータを乗せる台もちっちゃくして、という設計の流れでこうなったんじゃないかと思う。重たい主軸周りだとステッピングモータへの負担も大きくなるだろうし。
うちはここも一回り強いACインダクションモータに変えて、プーリもタイミングベルト的なものに変えようと思っている。難点はあんまり重くするとZ軸のステッピングモータが負けそうというところ。ここもあわせて面倒をみないといけないかも。

・オススメセットいけてない

買ったのはオススメセットなのだが、どなたかも指摘していたように付属品のロボットケーブルがあまりにも短すぎる。軸ごとに長さが違うべきなのに一律2mで出してくるというのは不親切すぎる。本体から離した場所におけないのに金属性の切り子に注意なんていわれても困る。
うちはもっと長いケーブルを調達の上、両端にMSコネクタをつけて、QUATTROのケースも作り替えて組み直すつもりだが、あくまでも「お手軽に自分で部品調達の手間を省いて組みたい人向け」でしかないことに注意。

 

総論として文句が多くなってしまったが、買って失敗したかというと、買って良かったという思いの方が強い。なによりも、時間を問わず図面をダイレクトに形に起こせるというのは代え難い物だ。あえてアドバイスするなら、予算がもう少し(50万円くらい)あればCOBRA、もっと(80万円くらい)あればSMDのSBR3400あたりを買った方がいいんじゃないかと思う。

何か聞きたいことがあればお気軽にどうぞ。