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友人のひがさんとマイコントークをしていたら、Arduinoを持っているけれど使ってないから貸してあげようか、とのありがたいお言葉。是非是非お願いしますということで受け取ったのが先日のこと。お借りしたのはArduino Diecimila、つまりちょっと古い型のArduinoになる。

Arduinoとは、ATMEGAになってから搭載されたブートローダ+自己書き換え機能をフルに使って、シリアル経由でプログラムをダウンロードする仕組みを持ったマイコンボードで、シリアル部分にFTDIのUSB-Serialブリッジを使うことで給電を行いつつ扱いやすいケーブルでPCに繋ぐことを可能にしている。マイコンに直接ファームウェアを書くのが当たり前だったATMEGA以前のAVR時代からするとかなり常識が違うので最初とまどってしまったが、自己書き換えが出来るならそりゃー便利に使えるよなと納得。

Arduinoの偉いのは、余計なことを一切考えなくてもいい(つまり初心者にやさしい)統合開発環境を用意しているところ。表面はJavaの類で実装してあって、中身はgcc-avrでうまく自動化されている。ユーザがやることは、動かすコードを書いて「Upload to I/O Board」ボタンをクリックするだけ。コードをコンパイルするとかリンクするとか、繋がってる手段によってライタを用意するとか、そういうことを考える必要は一切無い。

そして、かなり潤沢なライブラリのおかげで、とにかく一から書くことに比べると圧倒的にコード行数が少なくて済むのが良いところ。もっともブートローダに加えて便利な(=冗長な)ライブラリで実装されているわけで、出来ることは自然少なくなるが、プロトタイプを可能な限りすぐ作りたいという目的であればかなり良いソリューションだろうと思う。

あえて駄目出しするならば、直接デバッグできない、ということがあるだろう。シリアルは書き込みに使う線をそのままデバグに使える(統合開発環境から1クリックでモニタできる)から、いわゆるprintfデバッグ的なことをシリアル経由で行えばいいが、特定箇所にブレークポイントを仕掛けてデバッグ、といったことは出来ない。ある程度以上大きい(まじめにアセンブラメインで書いてFlashがかなり埋まるとかいう)レベルのプロジェクトに適用することはオススメできない。

とはいえ、ちょっと朝飯前的なプロジェクトにはもの凄い便利であることがよくわかった。通常、1つ1つに書き込み器が付いている必要はあまりないので、USB-Serialブリッジ部分と本体部分を分離したものを作ってやると半プロダクトにも便利に使えそうに思う。色々つかってみたらまたレポートしたい。

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