Archive for the '電子回路' Category

SBM-20テスト

Posted by ゆのじ on 5月 13th, 2011
SBM-20テスト(音を出してご覧ください)

ウクライナから着荷。これも割と電子工作をやる方の間ではよく使われるSBM-20というちょっと長めの管。硬β線とγ線に感度があるとのこと。

ひとまず先日入手したランタンマントルを線源として、周辺回路は最低限、放電はAMラジオに入るノイズ(プチプチプチっという音。それ以外は関係ない電波)で検知という手抜き検証をしてみた。かけている電圧は仕様通り。

このランタンマントル、ある人の測定によれば密着させて0.6uSv/h程度の放射線がでているらしいが、聞いてもらえばわかるとおりかなりバリバリ鳴る。これの倍ほど感度がいい管も同時に入手したのだが、福島方面で使うには感が良すぎて寿命が心配になるが、ハロゲンでクエンチしている管なら10^10オーダー程度の寿命はあるらしい。
ガイガー管は一定以上の放射線で何も反応がなくなる窒息現象が起こるが、その直前でも1つパルスが入ったら一定の不感時間が発生する(参考)。ざっくり10^-4秒程度とあるのでその程度とすると、最大にカウントしている状態をキープしても10^6秒程度、11.5日くらいは連続でカウントし続けていられる。そんな状況に11日留置することもなかろうから、普通は寿命は考えずとも良かろう(*)。

(*)当然年単位で放射線の強い環境に置いたりするなら色々考えねばならないだろうが。

 

しかしまぁここまで色々試したところで言うのもなんだが、正直Svやらに直して表示してやるのは意味がないという結論に達しつつある。CPMだって気休めにすらならないんじゃなかろうか。線源からの距離やら核種やらバックグラウンドの線量やら量子力学的な確率やら、考えていけば数字はほぼ意味がない。
こういった簡易的な物で意味があるのは、センサを同じ状態に留置した上で「増えたか」「減ったか」のトレンドを知ることだけなのだろうなと思う。そこそこのお値段の個人線量計であっても、「平常時より多いのか、何倍くらいか」だけしかあてにならない。くれぐれもホウレンソウにガイガー管を当てて多い少ないで議論しないで欲しいなぁと思う。

そんなことで、作るのはおそらく家庭のどこかに留置するタイプの装置になるだろう。

 

ちょっとここのところプロダクトを作るということを真面目に考えないといかんと思っているところ、それも含めてちゃんと物にしたい。

ガイガー管続き

Posted by ゆのじ on 4月 20th, 2011

IMG_8607

ガイガー管用の高圧回路をさらっと組んだが、すでに実験されている方々がやたらと高い電圧をかけていることに驚く。

この管(SI-3BG/СИ-3БГ)の場合、Working Voltageは380-460Vで、プラトーが80Vとある。つまり原則この電圧で駆動させないと安定した結果はだせないのではないだろうか。プラトーについてはこちらが詳しい。

もちろん、なにぶん古い物なのである程度は調整してやらないと動かないというのもあるが、すくなくともうちで手配した管をいくつか抜き取って試した限りでは、いずれもスペック通りの電圧で何らかの放射線を検出することが確認できた。ただし、それは後述するランタンマントルを用いた場合のみ。バックグラウンドやウランガラス程度の微弱な線源では1分たっても1パルスも入らないこともある。壊れてるのかの判断に悩むことになるので、試す場合は線源もきちんと用意しておくことをおすすめする。

抵抗値はWorking Currentが15-20uAなので、400V印可するとして20MΩ程度が都合が良かろうと思うが、ちょうど手持ちに10MΩしかなかったのでそれで代用している。後日手配の予定だ。

IMG_8611

 

 

さて。大抵この手の物を作るときに問題になるのは線源なのだが、この小さい管の場合、ウランガラスではほとんどバックグラウンドと変わらない。すくなくともちょっと動かしてわかるほど有意な差はでてこない。そこで追加で調達していたのがキャンプ用品のランタンマントルで、それがやっと届いた。

最近のランタンマントルはどうもトリウムを含んでいないらしいので、買ったのは相当なアンティークのColemanのもの。ある方の調査によると、「はかるくん」のセンサ部分に密着させると0.7uSv/h程度の放射線が観測できるらしい。実際、SI-3BGにおいてもバックグラウンドと明らかに異なる多くのパルスを観測することが出来る。

 

おおよそ実証実験が出来たところで何らかの使いやすい形にまとめていきたい。

Geiger–Müller tube

Posted by ゆのじ on 4月 18th, 2011

IMG_1532

いわゆるガイガー管。これはガラス管なので、β線、γ線などの放射線が飛び込むことで放電が発生して放射線を検知することが出来る。良くある誤解だが、エネルギーの低いものは拾えないし、エネルギーは核種により違うので、なんでもかんでも拾えるわけではない。

入手先は先日のポストで書いた様にebay経由でウクライナ。送料が高く付くのである程度まとまった数を入手した。面倒な高圧電源などはすでに秋月の冷陰極管電源でまかなえることを先人が調査実証済みなので、それに毛の生えた様な回路で対応。
管の下にあるのはウランガラス粒だが、ほとんどバックグラウンドと変わらないので、ランタンマントルを調達中。きちんとした標準線源は専用の設備を持たない人間には入手が困難すぎるので諦めた。

 

ただのガイガーカウンタにしてしまうのは面白くない。1つのパターンとしてArduinoへ接続できる様な物も検討はしているが、それではない1つのプロダクトになる様な形態も検討中。

すでに彼らの言う「事象」は発生したこと。出来ることは身辺周辺の状況を感知しつつ生活するしかない。

すでにBGOクリスタルも発注済み。これも届いたらネタにしようと思う。