Archive for the '電子回路' Category

topping TP-10 MarkIIについて

Posted by ゆのじ on 3月 26th, 2009

Google Analyticsによれば、ここしばらく先日購入したアンプについての検索で訪問される方が数多くいる模様。先日の記事でgoogleの割と上位に乗ってしまっているのが原因なようで、大して情報を提供できていないのにランクがあがることは些か申し訳ない。
ということで、先に買った者として、もう少し情報を提供したいと思う。

■内部構造

内部構造に関しては、基板をフレームから抜いた上で写真を何点か撮影した。ここでパーツについて細々と述べることは避ける。写真を見て判断されたし。ちなみに基板は全面のボリューム固定ナットを外した上、全面背面のねじ(2.5mm六角)を計8カ所を外せば抜くことができる。

全景1 全景2 裏面 コネクタ内側 部分1 部分2 表面板 フレーム

■付属ACアダプタ

測定結果日本で一般的な平行板2本(ただし穴無し)のメガネケーブル付きのACアダプタであった。こちらは入手元によって異なる可能性もある。私はヤフーオークションに出品された方より購入した。(追加で\1,000であった)
型番はJJL-0801とある。リップル分がどれくらいか見てみたので参考までに。正直なところ、ACアダプタとしてはこんなものだとは思うが、オーディオの電源としてはいまいちだと思う。デジタルアンプは電源の安定度が大事とも言われる。適宜違うものを購入した方が良さそうだ。

ACアダプタのプラグは実測値より外形5.5mm内径2.1mmのものと思われる。極性はセンタープラス。秋月のACアダプタ(これも5.5mm/2.1mmのものに統一していると秋月は言っている)を挿してみたら挿さったのだが、秋月のプラグは先端から根本までおよそ9mmなのに対し、付属品はおよそ11mmあるので、正しく動くかはわからない。試しに動かしてみたかったのだが、秋月の12V ACアダプタを所有していないので試すことができなかった。チャンスがあれば追試/追記したいと思う。

■製品サイト

こちらが製造元のオフィシャルウェブ。(exciteによる翻訳版)TOPPINGというのは英字名で簡体字名だと拓品电子という会社の模様。

参考になれば。

eagleでのライブラリ作成

Posted by ゆのじ on 3月 25th, 2009

基板CADのeagleでの作業は、まずライブラリを作ることから始まるといってもいい。既存のライブラリや他の人が作ったライブラリも便利ではあるのだが、それらを組み合わせて使うと統一感が失われる。統一感ぐらい、機能においては重要ではないことが多いのだが、1つでも「まぁいいか」で済ませてしまうと全体のクオリティも巻き込まれて下がってしまう。
しかし、自分でライブラリを作るといってもその中での統一感がなければ元も子もない。そのため、ある程度のルールを作ることが必須となる。一部標準ライブラリとの整合性がないため、誰にでも推奨できるものではないが、自分のためのまとめもかねてポストすることにする。ちなみに、R,C,Lは標準のものでたいてい十分なので今のところは標準のもの(rcl.lbr)を使っているが、Timpyで有名なchiakiさんのウェブサイトによれば、標準のフットプリントでは高密度実装の場合にはつらいとのこと。その場合はこれも自分で作ることになる。
ということであちらこちらの先人の知恵を集約して自分なりにルールを作って運用している。今回はそれについて。

ライブラリの作成は、まずPackage(部品のフットプリント)を作成するところからはじめる。Package作成時のルールは以下。

  • パッケージ名は標準的なメーカ指定パッケージ名+ピン数+ピッチ、とする。ピン数はそのパッケージで存在しうる最大桁の0フィクス、ピッチは同じパッケージにいくつかピッチがある場合(たとえばTSSOPなど)に括弧付けで記述する。TSSOP14(0.65)、のような感じになる。
  • パッケージは横長で配置し、左下から反時計回りにピン番号が進むように配置する。ただし4方向に足が出ている部品などはこの限りではない。
  • パッケージはtPlaceレイヤに部品のおおよその外形線を書く。外形線は16milで書き、1ピンは10milの線で書いた直径25milの円で明示する(DILパッケージのみ例外とし、1ピン側に円弧状のへこみをつけることで明示する)。表面実装の2ピンデバイスのように、外形とピンが一体化しているものに関しては、ピンを含めた外形線を作成する。
  • 名称(U1, IC1、R1)は、tNameレイヤにVector, 20%, 50milで記述する。
  • 値(ICならばIC名、LCRなどの場合は値)は、tValueレイヤに名称と同じフォントで記述する。ただしOLIMEXだとtValueはシルク印刷されないという話なので、OLIMEXで表示したい場合はtNameレイヤに書くなどすること。
  • 名称と値はパッケージ右下に下から上へ向けた方向で作成する。

package
以上のルールで作成すると、このようなイメージとなる。(これはSOIC08)

必要なPackageが作成できたら、今度はSymbol(回路図上の図記号)を作成する。Symbol作成時のルールは以下。

  • ピンはShort、ピン名もピン番号も基本的に明示する。Directionは必要に応じてI,I/O,Oにする。VCCはPwr、GNDはSupとする。
  • 外形線が必要なデバイスは、外形線を16milの線でSymbolsに書く。図記号のあるものは、細線を10mil、太線を16milとして作成する。
  • 名称は部品の左上、値は部品の左下に、それぞれNames, Valuesレイヤに作成する。こちらはProportional、8%、70milとする。 外形線と25milの隙間ができるように配置する。
  • VCCは上、 GNDは下に書くようにする。同一の電源が複数存在する場合、同じ名前はつけられないので、VCC@1というようにアットマークを挟んでピン番号を書く。こうすると同一ピンと見なされる。

symbol
以上のルールで作成するとこのようなイメージとなる。(これはRS485インタフェイスのIC)

これで必要なPackageとSymbolを準備したら、Deviceを作成する。Deviceの作成は、Symbolを配置して、対応しているPackageを読み込み、Connectすることで行う。SOICとDILのように複数Packageに対応している場合、Packageを読み込んだ後に「Rename」を行ってVariantを指定する。Variantは名称の末尾につくのでメーカ指定の名称にしておくといいだろう。Prefixは部品名の通番につく接頭字。ICの場合、ICxとする場合とUxとする場合があると思うが、私の場合はUxとしている(つまりPrefixにはUと指定)。

とまぁ、こんな感じでライブラリを作る。ファイル名は、自分の名前-メーカ名.lbrなどにしておくと紛らわしくない。ライブラリは財産なのでバックアップも忘れぬよう。

また何かあったら別のポストで書くことにする。

余談というかTIPS 1:部品の回転
そういえば、部品の回転、以前は90度単位だけだったような気がするのだが、今のバージョンだとrotate r30、とか入力してやると部品を30度だけ回したりということができるようになっている。便利だ。

余談というかTIPS 2:ピッチの違う部品の配線
これもどこかのページで教えていただいたこと、ピッチが違うものの配線(たとえば25milピッチの配線ルールの上で0.65mmピッチのICに配線)するときには、グリッドを25mil、Alt-Gridを0.65mmにしてやって、Altキーを押したり離したりして適宜やってやるときれいに配線できる。

秋月の8×2液晶

Posted by ゆのじ on 3月 21st, 2009

8文字2行キャラクタ液晶モジュール

先日秋月電子に行ったとき、8文字×2行キャラクタ表示液晶モジュールというこれまで取扱のなかったキャラクタ液晶が出ていたのでいくつか購入しておいた。そのままだと塩漬けになってしまってもったいないので、Arduinoのお勉強がてら火を入れてみることにした。

まず、Arduinoの勉強に使うということはほぼブレットボード的に使うことになるので、付属のピンソケットは上面に取り付けることにした。こうすると、液晶の左にピンソケットが来るように見たときのピンアサインは下記のようになる。

DB7 14 13 DB6
DB5 12 11 DB4
DB3 10 9 DB2
DB1 8 7 DB0
E 6 5 RW
RS 4 3 V0
Vdd 2 1 Vss

これで、4ピンIOモードで叩くならば、DB7~4、E、RW、RS、V0、Vdd、VssをArduinoに繋ぐだけで良い。使うライブラリはLiquidCrystal.hで、arduino-0013\hardware\libraries\LiquidCrystalにある。サンプルもそこにあるのでそれをさくっと読めば動かせる。

液晶モジュールwithArduino

この液晶の良いところは、まずは「美しい」ところに尽きると思う。これまでのなんだか間延びした感じのサイズと比べると大変にコンパクトな感じで、早速組み込んで使いたくなる。 色合いも電源OFF時はマリンブルー系の青、電源を入れると上の画像よりもっと鮮やかなセルリアンブルーのバックライトに白い文字が映える。
そして、よりうれしいのは「何も考えずにとりあえず3.3V単電源で動く」ということ。秋月のウェブでは5V単電源動作と書いてあるが、データシートには「Supply voltage for logic min2.7V max5.5V」と「Supply voltage for LCD drive min3.0V typ4.6V max6.5V」とある。typ4.6Vではあるが、3.3Vでも動作可能ということだ。早速試した(Vddを3.3Vにつなぎ替えて、V0をGND直結とした)ところ、問題なく表示されることを確認した。コントラストの調整幅が減るが、表示は可能で、試作レベルでちょいちょいと遊ぶにはこの一手間省けるところが大変ありがたい。

もちろん良いところがあれば悪いところもあるわけで、やはりバックライトがないと見えないというのは省電力アプリケーションには厳しい。データシートにあるTypで70mAというのは電池での長時間駆動をほぼ無視した値といえる。実際の所は秋月の紙に書いてあるとおり、裏面のR7に100Ω、R9直結にして3.3Vでも十分確認できるほど明るい。これでおよそ9.4mAほどであった。(それでもエネループ1本+DC/DCコンバータだとかいうアプリケーションには厳しそうだ)

参考まで。