Archive for the '思想' Category

建築業の瑕疵担保

Posted by ゆのじ on 4月 15th, 2008

 システム屋界隈の契約書は、通常「瑕疵担保条項」というものがあって、システムに瑕疵があった場合、瑕疵担保期間内であれば無償で対応すべし、というような了解が取られる。

 先日駅を歩いていて、天井からものすごい雨漏りがあったのか、ビニールなどを大量に貼り付けて雨水が人にかからないようにしてある箇所を見た。建築物関係の契約には疎いが、たいていはシステム屋の契約書よりは分厚い契約書を交わしているような感覚がある。その中に瑕疵担保条項はないのだろうか。
 住宅の場合は情報が仕入れやすい。調べてみると、宅建業法以外の縛りでも品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)という法律があるらしい。それによれば瑕疵担保期間が10年(基本構造部分)ということになるらしい。ただ、10年以内に業者が転けたり、基本構造部分(これもややこしいけど構造耐力に影響を与える部分と雨水の浸入を防ぐ部分だけらしい。壁紙はがれとか断熱材云々とかはおそらく範囲外)以外の問題については縛っていないみたい様子。

 コンピュータシステムなんて、長く使っても数年、大きな回収なく10年も使うようなものはまれだ。それに比べて建築物は何十年も使うことが大前提。システム屋以上に業者選定が難しいものなのだろうなぁと想像した。瑕疵による損害を業者に変わって支払うような保険があっても良いような気もするのにな。月々○○円払うと△△△万円までの瑕疵による損害は補償します、みたいな。

アイデアに毛を生やす

Posted by ゆのじ on 4月 9th, 2008

かっこいいITベンチャー、なんかにはあんまり興味はないものの、やはりうちでも何らかのサービスを立ち上げてみたいと日々思っていることは間違いない。日々流れてくるポストからは新しいサービスが立ち上がったの転けたの、読むネタに事欠く日はない中、何かネタはないのか常に探し続けている。そんなポストをずっと見ていて思うのは、やはりITは「やってみて考える」がまだまだ可能な業界なのだな、ということ。

通常であれば、どんなアイデアであれ形にして世に問うことが出来るほどの規模で展開しようとおもえば、営業、流通や販売、サポートまで含めてものすごいリソースを必要とする。これが良い意味でも悪い意味でもハードルとなっているわけだが、IT業界に限って言えば、このいずれも殆ど不要で、重要なポイントは、そのアイデアが「面白いか」「良さそうか」の2つの条件を満たせるかにあると思う。このいずれかさえ満たせば、そのアイデアは立ち上げることが出来る。マネタイズの問題は追っつけ出てくるが、それはそれ。他社サービスと一緒に何かするなりすればいいし、そういうことが言えるのがIT業界の強みなのだろう。今のところ。

問題はそのアイデアをどう思いついて形にするのか、ということになるが、最近のネタを見ているとどうも奇抜な誰も思いつかなかったアイデア、というよりは既存のアイデアに毛を生やしているものが多いように思う。問題は、そのコアになるアイデアを世の中から拾い出して、どう毛を生やすのか、ということなんだろうなぁ。贅沢を言えば、うちの猫みたいに毛がいっぱいなもふもふな感じのサービスを作りたいなぁと思う。

デジタル化/合理化の弊害

Posted by ゆのじ on 4月 7th, 2008

NHK世界ふれあい街歩き、昨日はベネチア。その中で、オーダーメイド靴屋が言っていた「現代的な方法じゃないけれどこうやって靴を作りたい」という一言が印象に残った。足の形や大きさを見て、一人一人木型を作って靴を作る、本当のカスタムメイドで、1足で20万円くらい、2週間くらいはかかるらしい。番組ではとても高いというような表現をしていたが、本当にそれは高いのだろうか。自分の仕事と比べてみると考えてしまう。これは日本の食は安すぎる、にも通じるところかもしれない。

パソコンの画面に表示されるリッチなコンテンツとされるもの、それ自体は素晴らしいし、それを作ることで日々暮らしているのだが、それを表現するための媒体(ディスプレイだとかPCだとかOSだとかソフトウェアだとかその他諸々)に依存しすぎていて時折不安になることがある。言うまでもないことだが、データはデータにしか過ぎず、モノとして存在していない。それが不安につながっている気がする。

どんなモノにせよ、技術でなく中身で勝負したい。でないといつか全部吹っ飛んでしまいそうな気がする。