Archive for the '思想' Category

偉そうな言葉で発言者を縛れ

Posted by ゆのじ on 2月 5th, 2010

PENTAX auto110

偉そうに「だ・である」調で駄文を書き散らしている私ではあるが、なるべく偉そうな上から目線の発言は避けたいと思ってきた。それは、そもそも私自身が上から目線で語るほどのものを持っていると思ってはいないし、そういう言い方をしてしまうと視野が狭まる気がしていたからなのだろう。

だが、最近は少し偉そうな言葉を吐いてもいいのではないかという気がしてきている。といっても誰かに上から目線で物を言うわけではなくて、自分はこういう人間でこういうことをしているのである、マル。というようなことを言った方がいいのではないかということだ。こういう事を言ってしまうと、それは自分自身の言葉で自分自身を縛ることになるし、前段で書いたように視野が狭まる怖れもある。だが、広すぎる視野を持ちながら破綻させないことは至難の業、私の場合いささか破綻してしまっている。そこを持ち直すためにも、まずとっかかりを作ることが必要なのではないか、そういうことを考えたわけだ。

視野が広がりすぎという話だと、集中力も些か不足してしまっている。ちょうど、ゆっくりと動きながら高速でこなす、一流の研究者の Doing リストという記事を読んだばかりなので、ToDoを書き出すフェーズと作業を行うフェーズを明確に分離して、余計なことに気を取られないようにしてみているが、思いの外うまく働いている。時間も予算も集中力も売り切れ気味な今、せめて発散してしまいがちな意志を道具の力で集約させてみるのも悪くない。

 

余談。写真はPENTAX auto110という古い古いカメラ。友人のO氏に一時貸していただいているもの。すでに110フィルムは全てのメーカーで製造終了してしまったようなので、慌ててフィルムを買いあさっているところである。良いカメラなのだが、コンデジが悪くない今、すでに出番は失われているのかもしれない。
だが、110フィルムのような超小規模でなおかつそれなりにファンがいて固定ニーズが見えそうな(110が実際そうなのかは全然調べていないけれど)市場に、元々より若干高い、程度で商品を流せるようなことが出来ないのだろうか、とか思うこの頃。製造現場まで考えるとそんな甘い話じゃなくて1桁も2桁も値段が変わるだろうな、とは思うのだけど、知恵でどうにかならんものか。
知恵を金に換える錬金術師の私としては、長期的に考えていきたい分野の1つである。

火中の栗拾い

Posted by ゆのじ on 1月 29th, 2010

階段を上りきった先にはおいしい実がなっているのか ここしばらく、物を作ろうというモチベーションが高まっているので、ずいぶんと調べ物を続けている。そこでわかってきたことは、やろうとしたことは大抵可能だということ。

もちろん、何でもかんでも今すぐ出来る訳じゃないのだが、必要なのは自分自身のそこに集中する熱意と、ある程度の予算とリスクを取るということだけ。それは結局普通のビジネスと変わらない。なので、後はどこにコミットするのが楽しいのかということだけ。

世の中に、絶対に必要な物、というのは全て存在している、という確信に近い思いがある。だから、新しいジャンルはライフスタイルとセットで提案されてくる。
しかし、うちの方針からしても、「生活を豊かに」といいつつ浪費を増やしてもらうのは性に合わない。だから、今現在存在しているジャンルで、オリジナリティを持った物を作って、買った人には長く(それこを何十年と)使ってもらえるような提案が出来たら、それが理想的なスタイルになると思う。
もちろん、全ての物を作るわけにもいかない。まずはどのジャンルからどのように進めていくか。よく考えていきたい。

そういえば、しばらく前の新年会で、我々の作りたい物は割と芸術品、工芸品に近い方向なのだろう、という会話をしたことを思い出した。そういった方面でも食う方法はないのかとよく考えている。
どちらにせよこれからの時代、そうそううまく儲け話があるとも思っていない。必要十分な実入りがあって、自分の好きなことをするのが夢、と良く言うが、自分の求めたい方向の仕事をしつづけることが、実は必要十分な実入りを得るためのキーなのではないか。鶏が先か卵が先か、どちらを先と考えるかで世界は大きく変わってくるのではないか、どうか。

 

ミーハーなことにマイケルジャクソンのTHIS IS ITのBlurayを発注していたが、届いた。映画館では最終日に1度見ただけだが、BDはすでに3回ほど見た。あのBlurayには芸術品や工芸品を作るためのヒントが多くあるような気がしてならない。元々音楽には詳しくないし、マイケルジャクソンのファンというわけでもないが、ヒントは多い。

iPadも出た。あれは使い道が多そうな気がする。

まずは一歩ずつ。

どこまで作るか、どれを使うか

Posted by ゆのじ on 1月 19th, 2010

IMG_2736

物作りをしていると、どこまでを作るか、ということで良く行き詰まる。完全に、といってもどこからが全てかわからないが、とりあえず素材しか買わない、というレベルからやるのも趣味では楽しい話だが、仕事では無駄が多すぎる。だが、製品を買ってきて製品を売るのはちょっと違う。じゃぁどこまでを作ればいいのだろう、と悩むわけだ。

一番大切なのは、その物の持つゴールなのは言うまでもない。そのなかで、その物の特徴となる部分だけ、一歩踏み込んで作るくらいがいいのではないかという気がしている。

 

物作りをしていると、どの部品を使うか、ということでも良く行き詰まる。完全に、といってもどこまでを完全というかわからないが、機能的に同じという部品は実は数多く販売されているのもまた事実。だが、どれを使っても同じ、ということとはちょっと違う。じゃぁどれを使えばいいのだろう、と悩むわけだ。

一番大切なのは、ユーザインタフェイス、つまり人が触れるところになるだろうということは容易に想像が付く。他の部分は信頼性や価格を気にしつつ、まずはその物を触ったときにどんな感じになるか、サンプルを山ほど取り寄せたり買ったりして考える必要があるのだろうなという気がしている。

 

物作りにはどれだけ知識があっても足りない。自分の知識だけでまかなってしまおうというのは愚の骨頂、欲をかきすぎだ。いかに知識を持った人と一緒に動いて、1+1を2ではなくもっと大きくしていくか、がポイントになるのだろう。

ゆくゆくは、こだわりたいポイントだけに注力して物作りを出来るようになりたい。